『灯台へ』書影

ヴァージニア・ウルフ

『灯台へ』

日本初訳・葛川篤訳

※第2部・第3部のみの抄訳です。


100年前『灯台へ』と、ひとり船出した早逝の詩人がいた!忘れられた翻訳が海神のように甦る。テンポ、リズム、緻密で洗練された語彙。輝ける訳業に心揺さぶられます。日本にウルフ文学をもたらした葛川訳の発掘!

もっと長くここにいたい、この翻訳に終わってほしくない。一行ごとに扉がひらき、百年前の日本語が燈台の光を点滅させる。
「あ ここにゐたのだつけ」
――私の意識の波打ち際に、誰のものかわからない記憶が押し寄せてくる。

事実、ひとは彼女の作品を読んで、到るところに覗はれる女性的な感覚や、抒情味や、繊細な筆致に打たれると共に、絶えず新しい形式を生み出さうとして繰返される悩ましいまでの努力と、存在の真実をつきとめようとする力強い探求に動かされるだろう。

3つの刊行形態

インディーズ書籍(同人出版)として、以下の形態で刊行予定です。

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初版350部予定/予約購入サイト

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Amazon Kindleほか、各種プラットフォームで配信予定

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Amazon、三省堂書店、楽天ブックスにて発売予定

イベント情報

■12/14 「新しい戦前の昭和モダニズム―日本初訳のヴァージニア・ウルフ『灯台へ』をめぐって」@toi books(大阪)

大阪のtoi booksにおじゃましてのトークイベントです。詳しくは告知リンクをご覧ください。

■1/19 刊行記念トークイベント@秋田

翻訳者・葛川篤の出身地である、秋田県秋田市にて行うトークイベントです。詳しくは各種告知リンクをご覧ください。

書誌情報

  • 書名:灯台へ
  • 著者:ヴァージニア・ウルフ
  • 訳者:葛川篤
  • 編者:小澤みゆき
  • 企画・編集協力:笠井康平
  • 解説:小川公代
  • 推薦:森山恵、斎藤真理子
  • 販売:作家の手帖

  • 判型(紙の本、POD):四六判並製
  • 価格:3,300円(税込)
  • ISBN:9784991137716(POD版のみ付与予定)
  • 発売日:2024年12月

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葛川篤とは

葛川篤(くずかわ・あつし、1906-1938)。本名は刈田儀衛(かりた・ぎえい)。秋田県出身。東京商科大学(現:一橋大学)の本科在籍中に文芸同人誌「一橋文藝」の立ち上げに参加。ヴェルレーヌやエドガー・アラン・ポー、スタンダールなどを精力的に訳した。卒業後は「詩と詩論」「新文學研究」などで、英語・フランス語圏の小説、評論の翻訳を手がける。1930年から日本初訳となるヴァージニア・ウルフ『灯台へ』を抄訳したほか、プルースト『失われた時を求めて』(部分訳)や、アンドレ・ジッド『贋金づくり』(伊藤整との共訳)なども手がけた。


葛川篤の情報を集めています

本書刊行にあたって、秋田県立図書館や一橋大学学園史資料室のお力を借りながら、葛川篤の年譜を作成しています。当時の消息に関する情報をお持ちの方は、「作家の手帖」までぜひお寄せください。(メールアドレス:writer.life.committee[at]gmail.com )

「作家の手帖」とは

2020年結成の文章表現ユニット。2021年4月に「もの書き」が生活に役立つ知識を持ち寄るメディア「作家の手帖」を立ち上げ、「創刊号が世に出たら解散する」というコンセプトでのんびり活動する。今回の葛川篤訳『灯台へ』は、シリーズ企画「準備2号」の一環で刊行予定。

小澤みゆき

会社員兼作家、編集者。編著に『かわいいウルフ』(自費出版ののち、亜紀書房より商業書籍化)、『海響一号 大恋愛』(自費出版)。ヴァージニア・ウルフ『波〔新訳版〕』(森山恵 訳、早川書房)に社外編集として関わる。

笠井康平

作家・編集者。主著に「10日間で作文を上手にする方法」シリーズ、『私的なものへの配慮No.3』(いずれもいぬのせなか座)。近著に「文化芸術の経済統計枠組みはいかにしてテキスト品質評価指標体系の開発計画に役立つのか」(『早稲田文学』2020年冬号)、「現代短歌のテキストマイニング――𠮷田恭大『光と私語』(いぬのせなか座)を題材に」、「場所(Spaces)」(早川書房『異常論文』所収、共著者:樋口恭介)。